ついけん

「グーグルはテレビを必要としている」。エリック・シュミット氏が英国で爆弾発言? #Google #TV

takosaburou ライター: takosaburou
カテゴリー: グーグル
投稿日:2011/8/25
タグ: グーグル テレビ エリック・シュミット

モトローラ・モビリティ買収で一息つくのかと思ったら、どうもそうでないらしい。グーグルのエリック・シュミット氏が、英国のエジンバラで「我々はテレビを必要としている」と発表するのだそうです。すわ、また買収か?

paidcontent.co.ukが報じています(2011年8月22日午前4時31分投稿)。

何でもエジンバラで金曜、テレビ局の役員を集めた講演会があるのだそうです。そこに部外者ながら第一人物として呼ばれる予定になっているのが、グーグルの会長を務めるエリック・シュミット氏。席上では、こうぶつ予定だそうです。

「グーグルは皆様方を必要としている」(‘Google (NSDQ: GOOG) needs you’.)

NSDQ: GOOGというのは、ナスダック市場でのグーグルの略称を指します。東証で阪急百とか書きますでしょう。ああいう感じです。

壇上でシュミット氏は、グーグルが業界が明るい未来を感じて貰うようお助けがしたいと話す模様なのだそうです。著作権違反だとして映画会社や放送局から訴訟を起こされ、応戦していた頃の妥協しない姿勢からすれば、随分変わったものだとpaidcontent.co.uk。

業界で最も地位の高い人達の会合の席で、シュミット氏に投げかけられる和解の言葉が少なかったとしても驚かないだろう。しかし、彼のメッセージは心から発せられるものだと、同社に近い筋は主張している。グーグルについて最も話題となっているプロジェクト、例えば世界のストリート・マッピングや全書籍のデジタル化などといった事を俎上に挙げるのは、彼らが企業の利他主義というよりも商業的な必要性に駆られて動いているという事実を覆い隠す事になりそうだ。インターネット界の巨人という地位にもかかわらず、年間の売り上げは300億ドル(180億ポンド)以下だ。検索市場で85%のシェアを持つ同社は、繁栄の為にコンテンツ・クリエイターを必要としているのだ。

良いコンテンツは検索の対象となり、検索は広告を誘発します。コンテンツがオンラインに増えるほど、グーグルは儲かるという図式です。シュミット氏の目から見ると、グーグルとテレビ業界はパートナーたり得るのだそうです。そして、然るべき環境下では自然なコラボレーターになるのだとか。

シュミット氏の演説の中身は、殆ど秘密になっています。しかし、一大ニュースになりそうな構想が~恐らくグーグルのプログラミング財団として、制作会社を買収する可能性があるのだそうですが~グーグルのIT専門家との関係を改善し、ソーホーやサルフォードの芸術家との間に新たな繋がりを生むのに一役買う事になりそうなのだとか。

このような可能性は、数年前は薄いもののようでした。放送局側はグーグル傘下のYouTubeがユーザーの投稿する番組のクリップでアクセスを稼ぐのを苦々しく思っていました。一方グーグルはインターネット上の他のサイトで海賊版が利用されているのを見つけるようにさせていました。

不平を言う会社に対するグーグルの反論はこうでした。彼らは幾つかのコンテンツが自分達のサイトにリダイレクトされているではないか、と。この反論も、今後は意味をなさなくなっていきそうなのだそうです。

しかし、そうした反論はしたものの、それから幾つかのコンテンツ供給側とは和解に至っています。収益を分配する契約を結ぶ事で騒ぎを和らげて来ました。

グーグルは海賊版をネット上でスキャンするコンテンツID(Content ID)というプログラムを組み、供給側に協力しています。この場合、コンテンツの制作元は、こうしたページを削除するか、もしくは広告を付けるかの二択が出来ます。もし後者を選べば、関連する全ての広告収入が入ってくるのだそうです。

和解の印は多くの企業の経営陣の心をとらえました。英国を例に取れば、2009年にはBBCワールドワイド(国際放送ですね)とITNが、YouTubeで自局のコンテンツを流す契約に同意しています。今では、大手と続いている訴訟は1つだけになっています。もっとも、これは捨て置けません。相手はバイアコム。あのMTVとパラマウントのオーナーでして、「大規模な国際的な著作権違反だ」( ‘massive intentional copyright infringement’.)として、10億ドルを賠償しろと訴えています。

こうしたお金を巡るグーグルとテレビ業界の力の均衡を、シュミット氏も認識しながら金曜夜の講演をしそうなのだとか。コンテンツ供給側と、英国の大手放送局(BBCやC4等)などとのコラボを強調する事になるだろうとの事です。世界で最も成功していると主張する事で、英国の放送局が創造性を保持していると賞賛するだろうとpaidcontent.co.ukでは書いています。何でも、独立系の業界団体のパクトの調査によると、英国のフォーマット輸出は他の国よりも多いのだそうです。今週末に数字が発表される予定です。それによると海外での独立系のコンテンツ収入は昨年34%の成長を遂げ、5億9000万ポンドになったのだとか。こうしたフォーマット輸出が、今後は業界全体の売り上げの4分の1を占めるだろうと見られています。

そうした一方で、グーグルが長年期待していたテレビ分野への殴り込みはといえば、膠着状態にあります。テレビをウェブ・ブラウザで見られるようにしたグーグルテレビを昨年秋にアメリカで始めましたが、失敗しています。配信機器を製造するロジテックが、セットボックスの価格を249ドルにしてしまった事が理由の1つに挙げられます(今後は99ドルに下げる予定だそうです)。おまけに、不格好で使い勝手が悪いのだそうで。

こうした頭の痛い問題も、モトローラ・モビリティの買収で解決されうるかもしれないとの事です。モビリティがセットボックスでは大手でもあるからです。また、グーグルがテレビ業界に突き進むに従い、懸念されていたほど足下が不確かではない事も判明してきました。

グーグルはテクノロジー企業であり、コンテンツ会社ではない。それが同社のスローガンの1つだ。そして重要なモバイル市場に焦点を絞るにつれ、ユーザーが探すコンテンツには興味を持たなくなり、その代わりとしてユーザーが検索に使うプラットフォームに力を入れている。4月に同社は1億ドルを投じてYouTubeにオリジナルコンテンツを作ろうとした。しかし、これはチャンネル5の年間の番組予算の半分以下でしかないとpaidcontent.co.uk。

テレビ業界の役員は、グーグルが他の業界でやってきたような方法で、自分達の縄張りに影響を与える(つまり、ネット上に自分達の収益を奪われてしまう)のではないかと懸念しています。シュミット氏は、そうではないと請け合うメッセージを出す予定だそうです。

もっとも、映画会社や音楽会社、新聞グループとは違って、商業テレビはコンテンツ配信自体には積極的です。技術面で進んでおり、BBCのiPlayerなどを含む新しいプラットフォームが総収入を膨らませています。生のストリーミングやオンライン・キャッチアップ・サービスが市場を広げていってるからです。英国の平均的なユーザーは1週間当たり18時間9分テレビを視聴しています。1日換算で2時間35分です(先週発表されたバーブ社2011年上半期調査の数字による)。前年同期の1週間当たりの視聴時間と比較すると、48分増えているのだそうです。また、5人に1人がBBCのイーストエンダーズのような番組を、放送された後に見ているのだとか(原文にはありませんが、恐らくネット配信しているのでしょうね)。例えば、先月のイーストエンダーは月曜の放送時に880万人の視聴者がいましたが、内180万人は放送後に見たのだそうです。また、トップ・ギアという番組の日曜版はBBC2で800万人が視聴していますが、後にiPlayerで280万人がダウンロードしています。

ただし、以下のような傾向があるとpaidcontent.co.ukでは書きます。

メディアグループは、デジタル広告に備えねばならない。その広告収入は、古きアナログ世界では数百ポンドのコストがかかっていたのだろうが、安くしか料金を請求できない。

そうした法則に、テレビ業界は抗おうとしている。商業テレビ市場の団体であるシンクボックスの調査によると、オンラインテレビ上で1000人に与えるインパクトを見ると、広告代は既存のテレビのそれよりも高くなりがちなのだ。

理由の1つにはオンライン視聴者は16歳から34歳が典型的に多く、広告主が欲しがる世代層だというのもある。既存のテレビで30秒のCMを1000人に流すに当たり、広告主が負うコストは19ポンドだが、同じ事をオンデマンドの番組内で1000人に届けようとしたら、コストは25ポンドから27ポンドかかると、業界関係者は指摘している。


つまり、オンラインテレビに関しては視聴者層が絞れ、なおかつ広告主が一番アピールしたい世代層なので、広告代も高めに出来るという事のようです。

テレビとインターネットが収斂していく事は、既存の商業放送局が50年以上うまくやってきたビジネスモデルの終了を意味はしないそうです。視聴者はオンラインのテレビ広告には受容的だそうです。その一方で、ポップアップ広告やバナー広告には反感が強いのだそうです。ジ・エックス・ファクターのオンラインキャッチアップ版には、1時間当たり8分の広告が挿入されます。これは本放送の広告放送時間と、ほぼ同じなのだそうです。

従って、楽観論が広がってはいるものの、全員がシュミット氏の勧誘攻勢には惑わされないだろうとの事です。
「グーグルの検索ビジネスは、質の高いコンテンツを無料で探せるというのが肝だからだ」(‘[Google’s] search business is mainly driven by quality content it pays nothing for,’)と、テレビ業界の重鎮。 「しかし、コンテンツのオーナーは自分達が考えている以上にパワーがあるのではないかと思い始めている。シュミット氏は良い事を言うのだろうし、我々の側も返礼するのだろうが、それだけでは十分ではない。彼にはこう言わなきゃ。『ポケットから金を出せよ』ってね」(‘But content owners have realised they have more power than they thought. [Schmidt] is going to say nice things and expect we’re all going to bow down, but it’s not enough. [We’re saying to him] ‘You’ve got to put your hand in your pocket’.’)。

テレビ業界の役員の中には1回限定で専売税をかけろという呼びかけなど、過激な提案があるのだそうです。グーグルが英国で85%の検索シェアを握っているし、正当化されるだろうとしています。それをファンド・プログラムに当てようというのです。

もっとも、キャメロン首相の戦略顧問を務めるスティーブ・ヒルトン氏はグーグルの世界公共問題部門の役員を務めるレイチェル・ウェットストーン氏と結婚しており、同社と英国の首相官邸筋との繋がりを考えると、これは実現しそうにないのだとか。

シュミット氏が威嚇射撃とも言える本格作戦の演説をぶつに違いない時まで、まだ間がある。グーグルがテレビを必要とするのと同じぐらい、テレビもグーグルを必要とする。そう認める事で、テレビの役員が失う以上の物を得るという示唆する代わりに、スローガンをぶち上げるという可能性もある。

記事はそう結ばれています。

「アンタらのどれかを買い取りたいんですわ」てな話では無さそうですね。とはいえ、ジョブズさんほどを人を驚かす趣味ないけど、何を話すかが注目ですね。

さて、一息ついてから、そのジョブズ氏のCEO退任の話を見ていきましょう。

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