ついけん

「デジタル教育」は日本を救うのか? 田原総一朗×孫正義 白熱対談書き起こしPart3

kokumaijp ライター: kokumaijp
カテゴリー: USTREAM
投稿日:2010/12/4
タグ: ustream

12月3日のジャーナリスト田原総一朗さんとソフトバンク孫正義社長との対談、“「デジタル教育」は日本を救うのか?”の書き起こし、Part3です。



田原総一朗×孫正義 白熱対談3-1



USTREAMアーカイブ

田原総一朗×孫正義対談「デジタル教科書で日本は変わるのか?」



Part1

「デジタル教育」は日本を救うのか? 田原総一朗×孫正義 白熱対談書き起こしPart1

Part2

「デジタル教育」は日本を救うのか? 田原総一朗×孫正義 白熱対談書き起こしPart2

Part4

「デジタル教育」は日本を救うのか? 田原総一朗×孫正義 白熱対談書き起こしPart4








田原:

それとね、実はもう1つ重要なんだけど、僕ね、メディアもそうだと思う。最近の出来事でいうと、尖閣沖で中国の漁船が日本の巡視艇に衝突した。これを海上保安庁の保安官がなんとYouTubeに流した。本当ならばテレビの守備範囲だ。あるいは小沢一郎さんが国会に出ないというのをニコニコ動画でやる。テレビや新聞はネットの情報を後からおっかける。時代が変わったなあと思った。



孫:

変わりました。ようするに今まではテクノロジーの制限があったわけですよ。地上波のテレビ局の電波がテレビ用にあてはめられたものが数百MHz。その電波の幅の中で一局何MHzと割り当てて、それで放送をしてた。だから一地域で放映できるチャンネルは8~10チャンネルくらいしかチャンネル分の枠がない。ところがインターネットは無限大ですから。双方向で無限大の動画、無限大のチャンネルを作れるわけですね。



田原:

しかもね、これはもう孫さんは百も承知のように、たとえば今の携帯。携帯の使ってる電波。これをテレビがほとんど独占している。これが十分の一が全体のテレビよりもはるかに高い金を国に納めてる。



孫:

テレビがそこにがーっと一番いい電波帯のところを占拠してまして、我々のiPhoneが繋がらないとしょっちゅう怒られるわけですよ。悲しいね。



(会場笑い)



お願いします。もうちょっと理解してください。もうちょっとテレビが遠慮してくれると。(笑い)



田原:

それを総務大臣がなったとき全部それやると言うんですよ。途中で全部腰抜けになる。なんで?



孫:

やっぱりね、いろんなしがらみがあるわけですよ。たとえばパーソナル無線、昔のアマチュア無線の世界ですよ。たった2万人しか使ってないとこに、携帯電話が2000万人くらい活用できる電波の幅をたった2000人で利用してる。それからタクシー無線。2000万人利用出来る一番通りの良い800MHz。我々のiPhoneがそこにのっかれば一瞬で電波が届くようになる。そこにタクシー無線が居座ってるですね。



田原:

独占して。



孫:

独占してる。タクシーが何台使ってるかというと、町ごとにほんの数千台、東京でも数万台。そこで、2000万人分に居座って。本来のタクシーの無線ぐらい、うちのiPhoneただであげますよ。タクシーの運転手同士「ただとも」で無料通話でいくらでも配車してください。(会場笑い)

立ち退いてくれるならば。彼らが数万台分ただでiPhone差し上げてもそこに、2000万人、3000万人iPhoneユーザーを載せかえれるといったらみんな得するんですよ。タクシーの会社には、ただであげますから、損するものはいない。

だけどそこにね、実は監督官庁である総務省の、生放送で言うと消せないけども。



田原:

天下りがいるんだ。



孫:

天下りがどさーっといるんです。何十年間居座ってるんです。で、先輩でしょ。簡単に外せない。理事長、理事、ずらっとある。全部総務省ですよ。これね、僕はいつか許せんと。(会場笑い) 思いませんか?



田原:

僕は、あたらしい総務大臣が登場する度に言うわけ。テレビが独占してると。おかしいじゃないかと。最初はぎゅっとがんばってるけど、途中で腰砕ける。



孫:

やっぱね大臣も志し高い人たちですから、本来そういう気持ちはあるんですよ。いざ詳細の具体論になると、役人はそこに何十年いますからより詳しいんですよね。その詳しい彼らに、ややさはさりながらって分厚い報告書やなんかを、しかも御用学者がまとめて持ってくると、わちゃーって知恵と知識でね、防戦されると中々改革できない。



田原:

長妻(昭)さんって男がいてね。厚生労働大臣やってた。彼今度外されたんだけども、彼はなんども僕に愚痴をこぼした。厚労省の改革をやろうとすると、はいって言うんだけどなんにもしない。もうね、奴らは敵なんですよ。ついに彼は敵に負けちゃったんですよ。



孫:

会社にもいますよ。会社にもね、はい、と言ってなかなか動かないヤツ。



田原:

ソフトバンクにいますか?



孫:

僕は許さないから。はい、と言って僕がチェックしてやってないと、なんでやってないんだと。



田原:

そこを聞きたい。ちょっと外れるかもしれないけど。僕は日本のね。さっきおっしゃった。国際競争力ナンバーワンだった。27位に落ちた。あるいは一人当たりのGDPも2000年には3位だった。今、23位に落ちちゃった。どんどん落ちてる。やっぱりね、僕はね、大企業の経営者に問題があるとおもう。



孫:

あります。オールサラリーマン化しちゃってるんですよ。



田原:

そう。つまり、新入社員がどんどん年とるか。年とった単なるサラリーマンが経営者になってる。



孫:

そうです。ようするに立派な真面目な人たちですから喧嘩しないです。嫌われること言わない。ガーンっと机叩かない。そうすると事なかれ主義で、前例主義でみんなの和を尊し。和を尊しの人だから神輿の上に乗りやすい。だけど、大きな改革はできない。それが大臣になって、大企業の社長だって役人だって、みんな事なかれ主義でなんとはなしにふわーっと行っちゃう。



田原:

会議ばっかりやって、何十回会議やっても変わらない。



孫:

腹をくくって決断するというのがのがリーダーシップだと思いますね。



田原:

そういう面でうかがいますと孫さんは独裁だと。



孫:

いやいやいや。会社の中では結構議論してるんですよ。



田原:

僕はね、やっぱりね、孫さんがすごいところは、最近ユニクロの柳井さんもいるんだけど、決定が早いですね。



孫:

早いですね。



田原:

だから孫さんは前の晩に役員に電話する、こういうことをやりたい。で、調べろと、明日の会議で決めちゃうと。そうでしょ?



孫:

それもありますし、そもそも事前の根回しほとんどなしで、そのまま会議で突然がーっとお互い議論して、それでバンバン決めていきます。



田原:

その決定が抜群に速いのよ。



孫:

早いですね。だっていいことはためらう必要がないじゃないですか。いいことなのに先送りする必要がないじゃないですか。敵はね、我々インターネットの世界では、日本流という事で許されないんですよ。アメリカが来る中国が来る、ヨーロッパが来る。彼らはそれこそクラウドですから、サーバーが空の雲の上にあって、国境越えてバンバン来るわけです。日本流の和を尊し言ってる間に全部占領されますから、やっぱり世界スピードのレベルでやらないといけない。だから、日本では変わってるけども、シリコンバレーでいえば同じペース。



田原:

そこでね、また教育に戻しますと、やっぱ日本の教育は変な教育だね。競争よくないっていってるんでしょ。



孫:

そうそうそうそうそう。これは問題ですよ。



田原:

学校では競争が必要ですから、みんな学習塾に行くわけ。



孫:

そうそうそうそうそう。



田原:

本当はね、学校の教育がよければ、塾なんて行かなくていいんだよ。



孫:

おっしゃるとおり。今日先生方がいっぱいきてらっしゃる。後でね、本音をガンガン言いたいと思いますけどもね。ちょっとだけ、資料ありますけどさっといいですか。



田原総一朗×孫正義 白熱対談スライド15



ということで、その教育の教科書ですけども、デジタル教科書、電子教科書やるかやらないか? フィンランドは2007年に決めました。韓国も来年から電子教科書に全部なります。フランスも来年からやるということを先月決めました。シンガポールも再来年、アメリカですら2015年。日本は2020年。



田原:

原口さんは2015年にすべきだと言っていましたよ。



孫:

原口さんは2015年にするべきだと言っていますし、光の道も2015年だと。でも今の政府決定は2020年。今の政府の正式決定の2020年もうやむやにしようという抵抗勢力がね、文科省の中にずらーっといると。



田原:

原口さんは、2015年っていうからクビになっちゃったんだ。



孫:

あははは。わかりませんけども。で。一旦政府で方針として2020年には電子教科書にしましょうと決めてる。それですら遅すぎると僕は思ってる。世界からまた、失われた10年にも関わらず、その2020年ですら、後ろ送りにしよう。全部骨抜きにしよう。



田原:

誰が? そんなことやってるんでしょうね。



孫:

ぬえのような存在でね、誰かという名前が出てこない。全員でもわーっとボイコットしてる。こないだ僕は呼ばれて文科省に行ってきたんです。電子教科書について聞かせろと。呼ばれたから行ってきた。口から泡飛ばしてやるべきだとわーっと言った。そしたらね、目が死んでましたよ。



(会場笑い)



田原:

聞いてないわけね。



孫:

いやいや。呼んどいてね。その死んだ目はなんだと。僕が先生でお前ら生徒なら、お前らどやしつけるぞと。呼んどいてなんか、眠たそうな顔して聞いていた。



田原:

呼ばなきゃいけないといけないと、格好だけ呼ぶんだけども、一切無視したいんだ。



孫:

いや。反対も言わない。賛成も言わない。それたいおうな質疑をもわーっと言う。なんで、そんな重箱のすみっこ聞くのと。中心をまだ聞くならまだわかるよ。重箱のすみっこを聞いてどうすんの。



田原:

それはね、今の国会がおんなじなんだよ。予算委員会。借金がいっぱいあるわけでしょ。借金を減らすのか、それとも景気をよくするのか。誰もそんなことを言わない。重箱の隅っこばっかり。



孫:

そう。重箱の隅っこの失言癖のところばっかりでしょ。これじゃ日本の天下国家がまずい。



田原:

どうしょうもない。



孫:

まずい。だから、僕は少なくとも今日は明確に、田原さんの電子教科書反対って言っとるなんか本があったな。



田原総一朗「緊急提言!デジタル教育は日本を滅ぼす」



田原:

会員になったの。だけど、僕は今の教育は大いに問題と。やっぱりね、電子教科書やってもね、教育を直さなければダメだってことよ。



孫:

そりゃ、両方なんですよ。教育の中身も直さないといけないし、道具としての電子教科書も用意しないといけないし、そもそも一番大切なのは何を教えるか。



田原:

そこなの。



孫:

コンテンツが工業社会の時代のコンテンツをいつまでも教えてるようじゃだめだと。



田原:

そらわかる。だから孫さんとやりたかったのは、電子教科書が便利だという話はいっぱいあるんだけども、それで教育がどう変えるんだって話がない。



孫:

それを僕は今日用意しましたから、やりますよ。で、とにかくね。まず。急がなきゃいけないと一つメッセージとして受けていただきたい。



田原:

しようとする総務大臣はクビになった。



孫:

そうなんです。ねえ。だいたいあれだとおもいますよ。僕は、今の現職の大臣も必ず理解いただけと信じてる。



田原:

理解したらクビになる。



孫:

あはは。



(会場笑い)



孫:

政権もね、総理も一年ごとにかわるし、大変ですよね。日本の国はまずい。とにかく早めなければいけないと、みなさんにも受けていただきたい。



田原総一朗×孫正義 白熱対談スライド16



で、何をするか。さっきから申し上げてるとおり、2番目の箱(工業社会)のまま教えたんじゃダメだと。いま10歳の子供たちが30年後、40歳ですから。30年後の40歳、社会人でいえば、40歳が一番働き盛り。一番働き盛りの40歳。今、40歳の人達が30年前に何を学校で教育うけたか。これが、日本の国際強力にもろ影響与えてる。



田原:

実は、ある予備校のね先生に僕は聞いた。なんでみんな予備校に行くんだと。学校の教師がダメだから行くのか? そうじゃないと。つまりね、学校教師はね、算数でもね、問題を解くことしか教えない。算数がいかにおもしろい、理科にいかに面白いかとまったく教えない。



孫:

それとね。やっぱり塾は、いい中学、いい高校、いい大学に受験を通らすという明確な目的を持っているから、生徒同士の過酷な競争状態にもっていって、試験をしょっちゅうやって、順番通りに席順ならべてみたり、貼り出したりいろんなことをやってる。つまり、かっての日本は競争に燃えてた時代には廊下に貼り出すなんて当たり前、塾では今でも貼り出してる。だけど、学校にいくと、順番に貼り出すとPTAに怒られる。文科省のえらい人からも、するなってなんかいわれてるような言われてないような感じがある。ゆとりのなんとか。競争はよくない。



田原:

ゆとりもね、文科省がどうしようもない。ゆとりをしろって言ったかと思うとダメだといってるわけ。僕は全部取材したの。文科省が全部先生のせいにする。ゆとり教育何が失敗したか。教師が悪いんだ。総合的学習の時間なんて、生徒の主体性を高めるためにやった。教師がついていけないからむちゃくちゃになった。文科省は自分の責任だと言わないんですよ。



孫:

会社でも、敗軍の将は兵を語らず。ダメになった会社の社長がね、自分の部下がバカだからとか、すぐ言う社長いるじゃないですか。これ最悪ですよ、大将としては。ねえ、思いませんか。僕は、自分の部下もすごいと思ってるんですよ。ほんとに。最近も感動しまくってるんですけどもね。



田原:

それは、何よりも部下が孫さんを信頼してるんですよ。



孫:

いやいや。信頼してる部分もあると思うし、頼りないから頑張らなきゃと思ってるところもあるかもしれない。とにかくそういう事で、教育の精神論もありますけども、教育の中身を情報化社会、情報革命に向けたものをしないといけない。



田原総一朗×孫正義 白熱対談スライド17



田原総一朗×孫正義 白熱対談スライド18



IT教育って何ですか? 今ある教科書、紙の教科書を電子に置き換えましただけではダメだ。そうではなくて、IT立国に向けた教育の変革だ。



田原総一朗×孫正義 白熱対談スライド19



さっきも言ったように、30年間で100万倍になったわけです。今からものすごいイノベーションが起こる。



田原総一朗×孫正義 白熱対談スライド20



先生方「スターウォーズ」って見ましたか? スターウォーズでヨーダが宙に浮いて、戦うジェダイに訓練をするときに、目に見えるものを相手に戦ってはいけない。



眼に見えないフォースにきけと、

目に見えない、先をこれから見えた剣をおってそこを避けるのではなくて、

これから剣がどこに来るであろうと、フォースをよむ。先をよむ。



田原:

そうそう。



孫:

いまのiPadやiPhoneを見て、パソコンを見て、これをやればいいのかという程度ではダメですよ。という事を僕は言いたい。



田原:

なるほど。



孫:

30年後にいま10歳の子供たちが30年後に40歳になる。その時に彼らが自分が10歳の時に教えてくれたあの恩師の先生の顔を思い浮かべて感謝すると。



田原:

今は感謝しないね。



孫:

あの先生が僕が10歳のときにあのことを言ってくれたと、あれを見せてくれた。あのことを語りかけてくれた。だから今40歳の私がある。そうやって、今ある目に見えるものを語るのではなくて、今まだ目に見えない30年後の進化を予見して、30年後の世界にこうなりますよ。それに対してのことを今、学ぼうよと。準備しよう。



田原:

なるほど。ちょっと孫さんね、言っちゃいけないかもしれないけど、前に孫さんにお伺いしたときに、孫さんが非常に重大な事をおっしゃいました。私はそれが焼き付いています。言ってもいいですか? 2018年ごろだと思う。



孫:

おっしゃるとおり。



田原:

1、2年遅まるか早まるかわからない。コンピューターチップの容量が人間の脳細胞の容量を超えると。



孫:

さすが。まさに、2018年です。よく覚えておられましたね。



田原:

となると、今までは人間が問題を出してコンピューターに解かせる。コンピューターが自ら問題出せるようになる。そうなると、世の中が根底から変わる。左右人間が根底からかわる。



孫:

変わるんです。



田原:

そうなるためにどうするか。



孫:

おっしゃるとおり。ようするに、2018年で人間の脳細胞にあるニューロン。脳細胞のくっついたりはなれたりで二進法で脳細胞は働いている。みなさんが、この話を聞いて、ああ、すごいとかバカだとかいろいろ思っておられる。これは、すべて二進法で考えているんですね。つまり、もわっと考えてるんじゃなくて、脳細胞がくっついた・はなれたですべてを記憶したり考えたり、この数が300億個あるわけです。人間の頭の中に300億個。これが300億個コンピューターの1チップの中にはいるトランジスタの数。これも二進法ですから。この人間の頭の二進法と同じトランジスタ。これが300億個を超えるのがいつか、という事を僕は20年前推論でフォーキャストした。そしたら2018年だという答えがでた。2年前にもう一回検算した。もう一回やっぱり2018年だった。だから、その後の20年間の進化は予想した通りだった。で、2018年に人間の脳細胞に追いつき、じゃあ、その後どうなるか。そこから30年間で人間の脳細胞の100万倍になるんです。



田原:

人間いらなくなるじゃないですか。



(会場笑い)



孫:

いらなくはならないけど、いわゆる丸暗記になんの意味があるんだと。検索するよりも速く答えが出てくる。



田原:

検索するよりも速いんだ。



孫:

速いですよ。つまり検索は指でやる。



田原:

人間がプログラミングする必要がないんだ。



孫:

プログラミングする必要がない。ようするに頭の中にあれはなんだろう、と思った瞬間に答えが頭の中に浮かぶ。目に浮かぶ。ディスプレイにでる。つまり、人間の脳細胞っていうのは、頭と例えば指が神経細胞でつながってて微弱な電流が流れている。電流でその神経に命令している。人体のローカルエリアネットワークです。通信をしている。つまり脳ってのは、通信をしている。しかも通信の媒体は電流だ。コンピューターのチップも通信をします。その通信でさっきの二進法の足し算、引き算、記憶するのは電流でやっている。同じ電流で、しかも二進法で人間の脳細胞とまったく同じ役割。ということは、このチップをぺたっと貼っる。ぺたっと貼ったチップと脳が通信して、思い浮かべたこと、あるいは自分の記憶の延長として外脳がチップに入る。人間の左脳、右脳に対してそと脳のチップ。これが人間の脳の100万倍の容量をもつようになる。



田原:

そうすると、例えばね。僕がぺたっと貼っる。孫さんがぺたっと貼とくと僕がしゃべんなくても孫さんはわかるんですか?



孫:

そうなんです。



田原:

田原は今こんなことを思っているんだ。と。



孫:

そうそう、そうなんです。チップをね、ぺたっと貼って、チップエレキバン。



田原:

あはははは。



(会場笑い)



孫:

僕のチップエレキバンと田原先生のチップエレキバンが無線で通信する。テレパシーと言う。



田原:

本当のテレパシー。



孫:

本当のテレパシー。だから、今から30年後のソフトバンクなにやってるの? 300年後のソフトバンクなにやってるの? ソフトバンクというのはテレパシーカンパニー。



(会場笑い)



田原:

テレパシーっていったらね。超能力だけど。それはコンピューターが実際にやっちゃうの?



孫:

科学的に。



田原:

なるほど。



孫:

だから、そういう時代が来るんだと。



田原:

いや、ちょっと待って。そうなるとね、今ね筋肉がいらなくなる。脳もいらなくなるんじゃない?



孫:

いるんです。ますますいるんです。



田原:

そこを聞きたい。



孫:

何をいるかというと、単純な記憶は外脳のチップエレキバンにいれておくと。単純な記憶、検索。それをベースにそれを材料としてどう使うかと。それをイマジネーションする。創造する。クリエイティブする。だから、人間の脳は、よりアートだとか哲学、愛だとか、その問題解決、提案能力、企画能力。アップルで言えば組み立て業ではなくて、イノベーション。デザインであり。そういうことですね。



田原:

そのあれですか。コンピューターには創造性というのはないんですか?



孫:

いずれ出てきます。



田原:

で、2008年9年10年ぐらいでは、想像力は人間にあって、コンピューターにない。



孫:

そうです。



田原:

そっちができちゃったら、いらなくなっちゃう。



孫:

でも、いずれできるようになります。いずれできるんだけど、その体と人間がある意味競い合いながら、でも融和しながら、という時代が今から100年後には来る。200年後には来る。



田原:

100年後は孫さんいないから、どうでもいいんだけど。その後20年後はまだ、健在である。その間にコンピューターを超えちゃうんだ。人間の。



孫:

そうなんです。あのチップの能力はですよ。ただ、まだプログラミング、ソフトの能力が少し遅れてますから、若干の時間の余裕はまだある。でも、これ時間の問題で超えていくのは間違いない。



田原:

ソフトバンクのやってることもだいぶ変わりますよね。



孫:

変わります。だから、まさにね。そういう意味で教育の内容を変えなきゃいけないということなんですよ。ようするに、丸暗記中心で問題を解くというよりも、そんなものはね、人間の100万倍の計算速度と記憶容量とうんぬんあったら、そんな付加価値の低いことやってどうするの?



田原:

ちょっとね、これを聞いてね、わかんないひといるかもしれないから、ちょっと2、3人質問。孫さんに聞きたい人。



田原総一朗×孫正義 白熱対談 会場の模様



質問者:

さきほどの一番最初にあった事について伺いたいんですけども。アップルの社長が最初はアップルの社長が自分の社員には単純労働のようなことはさせたくない。イノベーションだといってそれをどんどんどんどん違うところに、台湾のほうに製造業をまわしていったと。で、世界中の人達がイノベーションに目覚めたら、製造業はどこへいってしまうのでしょうか。



孫:

まぁ、最後は残ってる。組み立て業の最後はロボット。ロボットがロボットを組み立てる。ロボットが自動車を組立てる。と、最後はなります。でも、そうなる少し手前は日本よりも十分の一の賃金で労働者を使える国々に移っていきます。それが中国でありインドでありメキシコであり。



田原:

たとえばユニクロの柳井さんにこの間会ったんだけども、今、ユニクロは中国で生産してるわけ。だから、安い。売れる。でももう中国からバングラデシュに行ってると。バングラデシュで生産して中国で売るんだと。



孫:

そう。おっしゃるとおりです。だからようするに日本の人口労働は6000万人くらいしかいない。6000万人しかいない人口労働。会社でいえば6000人社員がいます。同じ6000人の社員で何をさせるかと。より付加価値の高い、一人当たりの賃金の高い、よりやり甲斐のある仕事に6000人シフトするか。より賃金の低い単純労働の組み立て業で中国と戦うか。バングラデシュと戦うか。どっちが社員にとって幸せかということですね。ですから、その付加価値の低い、賃金の低い単純労働の組み立て業に向いた労働者を、これから先生方がどんどん再生産していく。そういう労働者をこれから6000万人次の6000万人つくっていく、ということになると先生方の罪が一番重い。ということになるんですよ。



田原:

ちょっと、孫さんが言いにくいんで僕がいうとね。つまり、バングラデシュや中国でできるような同じ仕事をしている人は、バングラデシュと中国と同じ賃金になる。



孫:

そういうことなんです。だから、格差社会反対と言うけれども、格差社会が反対ならば、より日本全体が格差社会で落ちこぼれになるか、日本全体を格差の中でも世界の格差で言えば、上位のほう側に日本全体を持っていくか。これが教育の基本理念の中にないと。これが国家戦略なんです。



田原総一朗×孫正義 白熱対談 質問者



質問者:

中学校の教師なんですけども、いわゆる現場の話なんですけども、電子教科書が導入されたとしましてですね。たとえば、群馬県の中学でやってんですが、どういうことになるか。いま実は、群馬のある村の中学にいます。そこはお金としては全国で3番目くらい教育の備品を購入できるという結果があるんです。ところがパソコンに関しては、僕は国語の教師なんですけども、国語でインターネットで検索してレポートを書こうとしてパソコン室に行ったんですよ。パソコン室にあるのはWindowsXPで、そして全員でインターネットを使い始めたとき???で全部落ちちゃって。子供たちは、アイとエルの区別がつかない。つまり、例えば電子教科書がはいったとしてもつないでるだけの状態がでてしまうんではないかと。そこの部分をどういうふうに、ハードがよいと言われても、まったく使いこなせてない現状なわけで、そこをどうするのだと。難しいなと思います。



孫:

おっしゃるとおりですね。いままでのやり方ではだめと。それも間違い。つまりパソコンルームに普段真っ暗で鍵かけて入れてると。そういう状態がそもそも間違ってる。すべての学生とすべての先生方のカバンの中に、ランドセルの中に、一人一台、毎日いつでもどこでも持ち歩ける。こういう状態でどこでも持ち歩ける。iPad、僕なんてフルにどこ行くのにもトイレ、車、旅行、どこに行くのにも持ち歩いてる。ないと気持ち悪い状態です。



田原:

素朴な質問ですが、その金は誰が出すか。



孫:

それはですね。それは逆にいうと、国家が出すべきだと思います。ちなみにこれは、280円でできます。



田原:

280円? 今そんなに安いの?



(会場笑い)



孫:

月280円。



田原:

1個? 今数万円するじゃないですか?



孫:

いやいや。これが月280円



田原:

あ、月ね。



孫:

月に280円ちょっとね、その計算のページがあります。



田原総一朗×孫正義 白熱対談スライド25



一台月280円。これは、すべての先生と生徒には、タダで渡す。2000万台。1800万人の学生、小学生から大学生まで。専門学校もすべて含めて。ろう学校とか、全部含めて1800万人のすべての学生と、200万人のすべての先生方に全員タダ。今日いいこと聞いたと。で、これは、月13000円の子ども手当の内数として280円分の現物支給、残り12720円の現金。だから、子ども手当の内数として新たな税金を投入するのではなくて。今、13000円の子ども手当もらって親のパチンコ代として消えていく人もいる。



田原:

そういう人もいるでしょう。



孫:

なかにはね。なかには親のパチンコ代に消える。でも、これは一番大切なのは子供の頭に投資する。日本の未来に投資する。280円を内数として、全員にタダで現物支給で渡す。先生方と生徒がいつでもね。問題の宿題の検索だとかマルバツつけるぐらいは自動につけさすと。むしろ赤ペン先生の赤ペン部分を先生方はコミュニケートする。ということであれば先生方が採点に使ってる時間がぐっと圧縮できて、もっと知恵だとか知識だとか会話だとかディスカッションとかこういうものに使う。



田原:

この話は文科省でやりました?



孫:

言った。目が死んでた。(会場笑い)

たいがいにしろと僕はおもったね。



田原総一朗×孫正義 白熱対談 質問者



質問者:

話をきいて2つ質問したいですけども。一つ目。産業の人口の比率で3%ってあったと思うんですね。それを30%にしよう。すごく面白いんですけども。あの、クラウドの話じゃないんですけども、産業自体がサービス化されることが多分ポイントであって、IT産業でプログラマーとかエンジニアが出来ることがポイントじゃないんじゃないかなというのが一つあるんですね。今、医療の従事者とか教育従事者がわかっていればそれでいいのかなと。産業ごとの比率なんてあんまり関係ないんじゃないかなと。いうところがひとつのポイントと。

今、子供に対する教育の事を言われてると思います。彼らが勉強して、20年30年たって戦力になるときに、まさに決定権者が知識に乗り遅れていてストレスをかかえてしまう。当然海外に習うと思います(??) そう考えれば、電子教科書を使うのは我々であって、その子供に押し付けているんですよね。そうじゃなくていま我々がもう少し学べば、デジタル教科書を使ってそこから厳選をして子供に投資するというプランのほうが、なんかこう今まさに差し迫った現状を解決するソリューションになるんじゃないかなと。そういうふうに自分は考えるんですけどもいかがでしょう?



孫:

1個目の質問。30%ぐらいがIT関連だと申し上げましたけども、残り70%もほとんどの人がITを自分の本業で活用する、そういう時代になる。だから、IT農業であり、IT漁業であり、IT流通業あり、IT金融業でありITサービス業というふうに、あらゆる産業の基本的基礎能力としてITを最大限に活用するいうことで、国民の総人事異動ってのはそういうことで僕は申し上げている。で、その大人がITを使うのは当たり前ですけれども。でもね、大人になって急に英語勉強しようとしてもしゃべりきらないでしょ。大人になって、僕は16からアメリカ行ってるからある程度しゃべれるんですけども僕が30歳になって中国語勉強しようとしても無理です。やっぱり子供の時から、少なくとも言語で言えば小学校1年生から3つの言語を教えるべきだ。ひとつは国語もうひとつは英語。もう一つがIT語。この3つの言語は早ければ早いほどいい。小学校1年生からこの3つの言語を教える。日本語・英語・IT語。



田原総一朗×孫正義 白熱対談スライド22



こういう形でもう脳が少し固まってしまったあとにいろんなことを覚えようとしても無理、応用がきかない。できるだけ柔らかいうちに、覚えないといけないことは柔らかいうちにやって、途中からもっと考えるほうに力点を置くようにするべきだ。そういう意味で、子供に押し付けるという言葉は僕は気にくわないんだけど、押し付けるのではなくて、子供にはデジタルネイティブとして、もう生まれたときから、小学校1年生で最初に「あいうえお」を書くときから、当たり前のように英語もIT語も電子教科書が当たり前のものとして紙と鉛筆を使うがごとく電子教科書を使うというふうになるべきだ。



田原:

ちょっとね、愚問かもしれないけど、今パソコンで文章を書くようになった。手紙を書くようになった。みんな漢字が書けない。ITになるとそういうことが起きません?



孫:

ある意味で退化と進化。



田原:

なんでも検索ができちゃう。



孫:

漢字で書けないというのはある意味での退化ですけども、逆に言うとそれは進化だと僕は捉えてる。



田原:

もう一個ね。一番退化の典型はね携帯なんです。新聞記者が政治家に携帯で取材する。Face to faceに会いにいかない。携帯で返事するのはいい加減な返事をする。これで新聞を書いてる。便利になるとみんな苦労しないで、どんどん退化するんじゃないか。日本のマスコミはまさにそう。



孫:

両方だと思うんです。昔は携帯の手前の電話でも人間が目と目を見て話さないとダメだ。目と目を見て話せる1日あたりの人数って何人ですか? それに対して電話ができることによってしゃべれる人の数がはるかに増えた。メールができる。ツイッターができる。はるかにはるかにコミュニケートできる人の人数が増えた。しかも双方向で。だから便利になって効率化をあげていく部分と、たまにはこうやってお会いして、目を見ながら雰囲気を見ながら、場合によってはゲンコツの届く範囲という緊張感の中で。



田原:

ゲンコツの届く範囲というのは大事だ。



孫:

大事です。



田原:

つばをかけて、かかるのが大事だ。



孫:

それは急所でやる。ようするにいつもじゃなくて、ここぞという急所のときに、やっぱりお会いして話しましょうという、トドメを刺すところでやらないといけない。



田原:

孫さんは



孫:

いつもそうですよ。毎月だって海外に行ってますよ。



田原:

やっぱり大事なんだ。



孫:

大事ですよ。時間の効率が悪い、飛行機乗らなきゃいけないけど、毎月アメリカ行ったり中国行ったり、シンガポール行ったり。これは目を見て Face to face。



田原:

一番大事なことで。やっぱりね、大事ですよ。僕はITに反対じゃないんで。電子教科書も反対じゃない。だけどだんだん教師がサボタージュして、効率がいいもんだから、手抜き手抜きになるんじゃないかと心配。



孫:

そこでちょっとおもしろいページ、40%しか授業に使われてないってページがあったよね。ちょっとめくってくれる? 外した?

先生方が授業に費やしているパーセンテージが実は40%。働いてる時間の。あとは点つけとか、事務連絡とか、明日の授業の準備とか、ということに残り60%費やしてる。労働時間けっこう長い。日本の先生方は。労働時間はわりと長くて過酷な労働をしてるんだけど、授業に費やしているのは40%。他の国に比べるとかなり低い。体はいっぱい使ってる。あ、これこれ。



田原総一朗×孫正義 白熱対談スライド49



アメリカですら57%。韓国50%、ドイツだってその次でしょ。国旗わかんないところがあるけど。(会場笑い)

50%、60%授業に費やしている。日本は直接指導にあてられるのは37%。雑用が多い。点つけなんちゅうものはね、電子教科書で自動的にやればいいじゃない。そうではなくて、赤ペン先生のように手取り足取り指導する。正解率の低い問題については明日の授業でもう一回復習しよう。正解率の高いところははしょって次に進むとか、ディスカッションするとか。そういうふうに科学技術でやれるところはできるだけはしょりましょう。事務連絡的なもの、あまり感情を伴わなくてすむようなところは機械を使ってやりましょう。肌をみて抱き合ってやるようなところはハイタッチ。ハイテクアンドハイタッチだと。



田原:

両方必要だと。



孫:

仕事もハイテクアンドハイタッチ。教育も医療もハイテクアンドハイタッチ。シリコンバレーの人ほどですね。実は各家にプールがあって、庭には緑があって、自宅一軒あたりプールがある率はシリコンバレーが一番高いんじゃないですか。



田原:

そんなに稼いでる。



孫:

金稼いで、仕事場にいったらハイテクだらけ。家に帰ったら緑とプール家族でバーベキュー。



田原:

家にはハイテクないわけ?



孫:

ありますけども、家の中でもハイテクでちゃちゃっとこなして、後は家族でバーベキューしたり、歌うたったりというハイタッチの部分。仕事の生産性はハイテクで徹底的にあげて、土日は家族と過ごす。ものすごいメリハリがある。アートを愛する、健康を愛する。







(Part4へ続く)

「デジタル教育」は日本を救うのか? 田原総一朗×孫正義 白熱対談書き起こしPart4





関連記事

孫正義ソフトバンク社長の講演・対談・スピーチ書き起こしまとめ (ツイッター総研)


blogrankbanner_12

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
こちらもフォローして!
あわせて読みたい
あわせて読みたい
なかのひと
携帯アクセス解析