ついけん

アフガンで拘束されていた常岡さんはどうやってツイッターに書き込んだのか?

kokumaijp ライター: kokumaijp
カテゴリー: ツイッター
投稿日:2010/9/8
タグ: ツイッター

常岡さん記者会見



アフガニスタンで武装勢力に約5ヶ月間も拘束されたのち解放されて帰国した、フリージャーナリストの常岡浩介(つねおか こうすけ)さん @shamilsh の記者会見が、9月7日に日本外国特派員協会で行われました。



記者会見に参加されたフリーライターの畠山理仁(はたけやま みちよし)さん @hatakezo がUSTREAMで中継してくださったため、リアルタイムに見ることができました。



その記者会見の内容から、特に興味深かった、「まだ拘束中だったはずなのに、なぜツイッターで発言できたのか?」という質問および常岡さんの回答をまとめます。





●常岡さんの事件の簡単なまとめ



以下のツイッターの時間は日本時間です。日本とアフガニスタンの時差は「-4.5時間」です。



・常岡さん、3月下旬にカメラマン久保田弘信さん @hirokun001 とともに取材のためにアフガニスタン入国。



・3月末、タリバンを取材するためアフガニスタン北部のクンドゥズ州に赴く。



・拘束前の常岡さんの最後のツイート。(このツイートの数分後に拘束されたそうです)



タリバンの完全解放区を訪ねて、今電波のあるところへ出て来ました。2010-04-01 12:29:00 via Gravity





・4月1日、武装勢力に拘束され、消息を絶つ。



・8月 解放交渉を行っているという報道



・9月3日に常岡さんのアカウントにて5ヶ月ぶりにツイート



i am still allive, but in jail.2010-09-03 22:15:10 via mobile web



here is archi in kunduz. in the jail of commander lativ.2010-09-03 22:22:31 via mobile web





・9月4日、武装勢力から解放され、カブールの日本大使館に保護される。



・9月5日にドゥバイから立て続けにツイート。常岡さんを拘束していた武装勢力はタリバンではないと説明。



ただいま、ドゥバイ空港に到着いたしました。明日の夜、関空経由羽田に帰国する予定です。ご心配くださった皆さま、本当にありがとうございました。2010-09-06 13:09:02 via web



いくつかのメディアで、「タリバンが誘拐」と、出ているのをみました。犯人はタリバンではありません。クンドゥズのラティブ司令官とタハールのワリーという、現地の腐敗した軍閥集団です。彼らはタリバンになりすまして日本政府をゆすっていました。2010-09-06 13:15:34 via web



続きはこちら Togetter - 「解放された常岡さんが犯人像を語る」



・9月6日 関西空港経由で帰国







●日本外国特派員協会での記者会見



9月7日の午後に行われた記者会見の模様は、こちらで確認できます。



畠山さんのUSTREAM中継の録画です。

2010年09月07日常岡浩介さんFCCJ記者会見



畠山さんのUSTREAMを見たツイッターユーザーのツイートログはこちら。

Togetter - 「常岡浩介氏 日本外国特派員協会での記者会見ustログ」



フリージャーナリスト神保哲生さん @tjimbo の動画記事。

拘束したのはカルザイ大統領に近い勢力 アフガンで誘拐された常岡さんがタリバン犯行説を否定 - ビデオニュース・ドットコム

いつまで無料公開されているかわかりませんが、こちらの動画のほうが音がよいです。









●まだ拘束中だったはずなのに、なぜツイッターで発言できたのか?



記者会見の質疑応答の中から、ツイッター関連の部分を抜き出して書き起こしました。





(質問)江川紹子さん:

フリーランスの江川です。

常岡さんのツイッターなんですけれども、9月3日の日本時間で夜だと思うんですが、英語のメッセージが2つはいってました。これは常岡さん自身が打たれたものなのか、そうであるとすれば、どういう環境の中で、なぜこれを打ったのかということ。

それから、その次のメッセージはドゥバイ空港なんですが、大使館ではこういうものを発信させてもらえなかったのかどうかを含めて、大使館での扱いについて伺いたいと思います。






(回答)常岡さん:

9月3日にツイッターにアクセスしたのは、そのときに私を拘束していたアブドゥルアジドという下級司令官の携帯電話を使って、GPRSでインターネットにアクセスして、そこからブラウザ上から書き込んだというものです。




(*)GPRS:GSM方式の携帯電話網を使ったデータ伝送技術。第2.5世代(2.5G)と呼ばれる技術の一つ。



彼はインターネットという言葉は知っているが、どういうものか知らない。その3日ほど前にノキアのN70という、彼らの中では非常に最新モデルの携帯をどこからか手に入れて持ってきまして、持ってきたけれども使い方が判らない。「シャミル、これわかるか?」と聞いてきたものですから、いろいろ説明していました。



(*)ノキアN70:2005年に発売された携帯電話の機種。軽量の200万画素カメラ携帯「Nokia N70」

(*)シャミル:イスラム教徒である常岡さんのイスラム名。



で、これはチャンスだ! と思ったもんですから、「この携帯はインターネットを使うのに最適なんだ」というふうに彼に、事実だから騙してはいないと思うんですが、言いまして、「インターネットというものを使ってみたい。使えるようにしろ」というのが彼の命令で。

彼らの支配地域は携帯電話の3つの会社の電波が飛んでましたけども、そのうち2つの会社、3つともか、GPRSのシステムがちょうど始まったばっかりでした。

で、携帯会社のカスタマーケアに何度も電話をして、アクティベーションの設定をしまして、9月3日にようやく繋がった。




(*)アクティベーション:機能を有効にすること。この場合は携帯電話でインターネットを使えるようにする認証手続き。



繋がったはいいけど、インターネットとはなんぞやをよく知らない彼らは「どうやったらそれでアザディラジオが聞けるんだ?」とかですね、そういうことを聞いてきまして、「まずグーグルにアクセスしてアザディラジオとここに書いてみなさい、そうするとアザディラジオのウェブサイトが出てくるから」

「最近はツイッターというのが一番重要なのだ!」と言いまして、「それは何だ?」

「ここに一言書くと日本のたくさんのジャーナリストに伝わるんだ」ぐらいのことを言いまして、「やってみろ」と。



本人は今も騙されたとは思ってない。




(*)アザディラジオ:azadi radio、自由欧州放送(アメリカによるラジオ)のアフガン支部。Radio Free Afghanistan - Wikipedia



それから大使館での生活ですけれども、一泊させていただいただけなんですけども、ものすごく親切にしていただきました。

まず大使に食事を御馳走していただきまして、カレイの煮付けが出ました。

そのカレイの煮付けにものすごく感動しまして、輸入物の冷凍モノだと言われたんですけど、海の魚というだけでもう、全然いままでの食生活とは私にとっては違う。

幽閉されてたときは一度だけアムダリヤ川のフナを大量に採ってきてくれた人がいて、それを丸揚げにして食べました。私が内臓を出す作業をやった。




(*)アムダリヤ川:アフガニスタンと、タジキスタン・ウズベキスタンとの国境を流れる川。アムダリヤ川 - Wikipedia



大使館の中ではカレイの煮付けの次は、親子丼、それからカップラーメンも持ってきてくださいましたし、天ぷらも最後持ってきてくださいました。

本当に食べ物がうれしくてうれしくて、いまだに感謝に堪えない思いなんですけど、インターネットはごめんなさいここはつながりません、と言われました。



で、大使館に泊まったのは一晩だけでしたし、ドゥバイの滞在時間が7時間くらいありましたので、その間に日本のメディアの報道を見れるだけ見まして、各社がタリバンに拘束されていたと書いていたのにびっくりして、この件はちょっとぜひとも7時間のうちにツイッターで言っときたいと思ったものですから、その件だけツイッターで発信した次第です。






インターネットをよく知らない武装勢力の兵士にインターネットを説明したり、途上国の携帯電話でインターネットをつなげるようにしたり、ツイッターを薦めてみたり、ものすごい話ですね…。



とにかく常岡さん、無事帰国おめでとうございました!





おはようございます。夕べ、午前2時頃、帰宅してかんだたみに再会できましたが、かんだたみは情けなくも2時間ぐらい経ってから母の顔を思い出したようでした。メールチェックがまるで終わらず、結局寝られず。誰にも返信できていません。様々な手段で連絡くださった皆さま、申し訳ありません。2010-09-07 07:55:38 via web



かんだたみさんに思い出してもらえてよかったですね~。

3月のかんだたみさん

かんだたみ







常岡さんは取材に必要な機材など、すべて武装勢力に没収されてしまい、ゼロからそろえなければならないそうです。もし支援したいという方はぜひ常岡さんの本を購入しましょう。



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常岡さんが拘束される直前まで一緒にいたカメラマン久保田弘信さんのブログです。



常岡さんの帰国。 - フォトジャーナリスト・久保田弘信 公式ブログ



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YouTube - 常岡浩介氏帰国 ASIANEWS特報1




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